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戦略

戦略とは何か、なぜ必要か

理に則した企業経営を行うための根本的な考え方として持つものが「理念」である。
その理念を実現するための企業活動の方向を示すものが「方針」である。
オースビーでは様々な方針を経営計画によって示しており、その代表的なものが「本来を実行せよ」である。理念を実現するためにあらゆる場面で本来的であろうとする。

しかし、現実の中で方針を持って行動しているだけでは、理念は実現できない。
理念を現実に具体的に実現するための手段が「戦略」である。

現実は、人の前に厳然と立ちはだかる。現実の世界は、複雑で、一面的でなく、相矛盾する事象も数多く発生する。そして、現実世界の中で人間が物理的・論理的に認識し得るものは、ごく一部に過ぎない。
また、宇宙という巨視的な観点で見ても、次のことが言える。あらゆる物に熱力学の第二法則(エントロピー増大の法則)が働いている。にもかかわらず、多様な無機物、有機物、ひいては生物が存在するということはエントロピーの増大とは逆の「秩序化の力」が働いていることを示している。そもそも矛盾を内包しているのが現実だと言える。

しかし、世の中の大勢を占める、「現実的」とされる一般的なものの捉え方の多くは、現実が孕む矛盾性をある意味、無視している。そのため、それらの捉え方に基づく言動は、現実の中では力を持たない。
事実、理念に掲げられるような本来的なことは、誰しも憧れ、良いと思うが、実際に日常で本来的なことをやろうとする人はほぼいない。

ここに「戦略」の必要性がある。実際に人を動かす力を生むものが必要である。ただ、それは、単に非現実的で、特殊なものであれば良いわけではない。人の本質に根差していなければならない。

ある人を捉えたとき、その人の殆ど全ての部分(例えば、感情・習慣・思考・行動、等)のうち、 99%は本来的であろうとまで・・はせず、これまでの社会や周囲や個人の習慣で思考・行動する。

しかし、残り1%の心の奥底では真実への希求が常にあり、本来的なことをしたいと思っている。
人に本来的な行動をさせるためには、普段は自ら発揮しない、1%の真実の力を起こさせねばならない。そのためには、人が心の奥底で希求している1%の真実を突き動かす言葉、すなわち、99%の領域(=日常現実感覚)では受け止められないが、1%の真実には必ず触れている、そんな言葉が必要である。

したがって、人を本当に動かす戦略は、自ずと「一見非現実的」かつ「ほとんどの人はそうしないもの」かつ「真実」かつ「人が本当はそうしたいと思えるもの」になる。

オースビーの戦略(一部)

オースビーには自社や顧客企業を本来的な行動に向けていく様々な戦略がある。 その一部を紹介する。

商品戦略:「問題を生産する」

一般に、問題は無い方が良いとされる。そのため、問題とは「解決すべきもの、無くすべきもの、発生させてはならないもの」と思われており、この感覚をもとに人の思考や行動の習慣は形作られている。

しかし、現実には、問題は日々あらゆるところで生まれている。日常で目にする問題は、一部の問題が顕在化したに過ぎない。事実、仕事をしている人は皆、様々な懸念や不安を数多く感じている。 そして、薄々このままではいけないと感じながら、99%の日常現実感覚ではその問題に蓋をしてしまう。後に、問題が顕在化した際には、「実は気になっていたのだが」という反省をすることが殆どである。

人は皆、本当は、あらゆる懸念や不安を解決して、きちんと仕事をしたいと思っている。 関係する人全員で、懸念や不安を共有し、的な対応をしたいと思っている。

オースビーは社内でも顧客企業内でも「問題を生産する」ことを率先して実行し、周囲にも求める。 そうすることで本当は顕わにしたいと思っていた問題が早く顕在化し、皆で真っ直ぐ解決に向かうことができる。

組織戦略:「三本部体制」

社会の殆どの企業組織は業態・業種によらず、直接生産部門(製造、営業)と間接生産部門(総務、経理、人事、研究開発)から成る。生産の実行主体として売上を上げる部隊と、生産を支える部隊で編制しており、どの企業でも自社内の人員資源の配分に頭を悩ませている。

しかし、企業組織を存続させていくためには、直接・間接の生産だけでなく、その企業の理念や本来を問い直し、全社の変革を推進する役割を担う部門が必要になる。

そして人は、心の底では、日々の具体的な生産行為を超えたもの(人類、社会)との関係の中での、自分の仕事の意味や所属する組織の意義を求めている。

オースビーは、「三本部体制」を組織戦略の一つとして実行している。

BE本部

ビジネスエンジニアリングを顧客に提供する部門。 営業・生産(直接生産部門)に相当。

BE強化本部

ビジネスエンジニアリング力の強化(商品の強化・研究・開発)、 及び、オースビーとしての本来や理念そのものを問い直し、 再構築していく部門。

統合・推進本部

オースビーの経営実務や経営拡充施策の実行部門。 管理部門(間接生産部門)に相当。

この三本部が一体となって会社運営と顧客への価値提供を行っている。
常時全社変革体制をとらねばならないという考え方が、直接生産部門と間接生産部門の両方に浸透していなければ、三本部体制の構築・維持はできない。
この体制そのものも、顧客が憧れるオースビーの商品である。